El viento que sopla el cielo

El viento que sopla el cielo

楽しいこと備忘録

【NJPW free Match vol.3】2019年6月5日 ウィル・オスプレイvs鷹木信悟

ようやくジュニアの試合が無料配信となりました。

ジュニア至上主義者垂涎の最強決定戦、ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(以下スーパージュニア)の決勝戦です。

個人的2019年のベストバウトなので、ぜひ観てほしい一線です。

 

スター不在と言われた2019年

新日本のジュニア階級*1は昔から非常に人気が高く、現在もたくさんの人気選手が所属しています。

その中でも中心人物と言われるのが、『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』というユニットに所属している高橋ヒロム選手です。

読めない言動と行動、リミッターの外れた激しい試合が人気の選手ですが、首の負傷で欠場中。

 

優勝候補最右翼が出場できないということで、次に名前が挙がっていたのが、ヒロム選手のライバルの一人、エル・デスペラード選手。

初優勝が囁かれていましたが、直前の試合で顎を負傷し、欠場となってしまいました。

 

世界中からジュニアのトップ選手が集うスーパージュニアですが、ファン人気の高い二人が欠場するという事態により、やや盛り上がりに欠けた雰囲気のまま始まったように感じたリーグ戦。

 

全てが杞憂でした。

 

 

無敗の男

鷹木 信悟 | 新日本プロレスリング

2018年10月8日に新日本プロレスに電撃参戦してから、このスーパージュニアに参戦するまで一度も負けなかった男、鷹木信悟選手。

規格外のパワーとスピード、男気溢れる発言で一気に人気を集めた鷹木選手ですが、その無敗伝説はスーパージュニアのリーグ戦でも健在でした。

近年稀に見る猛者揃いのブロックを危なげなく全勝。初出場、初優勝まであとひとつというところまで駆け上がってきました。

 

無差別の壁を飛び越える空の王

ウィル・オスプレイ | 新日本プロレスリング

対するはイギリスの雄、ウィル・オスプレイ選手。

ジュニア階級でありながらヘビー級の選手と対等に渡り合い、無差別級のベルトを保持していたこともあるレスラーです。

重力を感じさせない空中技と、ヘビー級と戦えるバワーを両立させているのは今観ても意味がわかりません。

曲者が顔を揃えたBブロックを勝ち上がり、二度目の優勝を狙います。

 

叩き伏せる「力」と、断ち切る「力」

スピードとパワーが持ち味の両選手ですが、試合スタイルは真逆と言っていいほど違います。かたやスピードを武器にリング上を飛び回り、相手の意識を刈り取る技を多用するオスプレイ選手。かたやリングに根を張り力でねじ伏せ、立ち上がる気力を削り切る鷹木選手。どこに重きを置いているかの違いだけで、実は近いパラメーターを持つ二人なのではと思わされます。

 

プロレスでよく使われる「手が合う」という言葉。試合が噛み合う、相性のいい選手との試合で使われるんですが、まさにこの試合に相応しい言葉だと思いました。

「観ればわかる」と言ってしまえばそれまでなんですが、観ればわかります。凄いです。

 

両国国技館が震えるほどの大歓声。俺の大好きなスーパージュニアを観てくれ。

 

www.youtube.com

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:100kg未満の階級

【NJPW free Match vol.2】2019年2月11日 棚橋弘至vsジェイ・ホワイト

本日公開されました。エディオンアリーナ大阪で行われたIWGPヘビー級選手権試合*1です。

こちらが煽りVです。

前回と同じく、煽りVから直接試合動画に飛んでもらって構いません。記事最下部にリンクを貼っておきます。

本日より1週間限定公開という部分も変わっていないので、お早めにご覧下さい。

 

 

 

2月のタイトルマッチの意味

新日本プロレスは一年中大会を開催しています。月に1回ほどビッグマッチを行い、その大会へ向けた小規模大会を数週間かけて行います。「シリーズ」と呼ばれるものですね。

 

そのシリーズの中でも最も重要であり、動員規模・会場規模共に最大を誇るのが、1.4に行われる『レッスルキングダム』という大会です。

年間行われる全てのシリーズ(ビッグマッチも含む)は、レッスルキングダムに向けての「前哨戦」とも言える位置付けで、開催は年明けですが、レッスルキングダムが1年の集大成の大会となっています。

 

レッスルキングダムのメインイベントこそが、全ての新日本プロレスのレスラーの目指す頂きであり、そのメインイベントはほぼIWGPヘビー級選手権試合となっています。

 

ここで勝った選手がこそが「新日本プロレスのトップ」であり、1.5から始まる新年のシリーズをチャンピオンとして迎えることとなります。

 

今回の試合は『ニュービギニング』と呼ばれるシリーズで、そのビッグマッチのメインイベントでした。

 

ニュービギニングはレッスルキングダムの次のシリーズであり、ここでもし負けると、防衛0でベルトを落とすことになります。

せっかくレッスルキングダムのメインイベントで華々しくベルトを戴冠(防衛)したとしても、1ヶ月後には無冠になってしまうのが、プロレスの恐ろしい所でもあり、魅力でもあります。

チャンピオンとしては絶対に負けられない、負けられないタイトルマッチが、ニュービギニングというシリーズになります。

 

煽りVでも語られていましたが、棚橋選手はニュービギニングと相性が悪いです。

2012年のニュービギニングで『レインメーカーショック』と呼ばれる歴史的敗北を喫してから、2015年のAJスタイルズ選手、2016年のケニー・オメガ選手、2017年のロスインゴとの6人タッグマッチと全てで勝利を掴むに至らず、2018年に至っては鈴木みのる選手とのタイトルマッチで敗北し、長期欠場を被ることに。

 

不吉なジンクスを背負ってしまった棚橋選手。ベルトを守ることはもちろん、ジンクスを跳ね返すためにも絶対に勝たなければいけない試合です。

 

傷だらけのエース

 

www.njpw.co.jp

煽りV冒頭で紹介されていた、2018.1.4の対ケニー・オメガ戦というのは非常に重要な一戦で。

棚橋選手にとっても、という意味でもですが、新日本プロレスにとっても分水嶺でした。

新日本プロレスを新たな時代へ導こうとするケニー・オメガ選手と、新日本プロレスの歴史を重んじ守ろうとする棚橋弘至選手。

新日本プロレスは今後どちらの道を行くのか」

ファンの間でも真っ二つに意見の割れた、新日本プロレスという団体の行く末を占う一戦でした。

 

そのイデオロギー闘争を制した棚橋選手ですが、

ケニー選手の言い分にも一理ありました。

「棚橋はもうトップではない」

「ファンが送っているのは声援ではなく、無事に試合を終えて帰ってくるかという心配の声だ」

「その椅子を明け渡し、バトルロイヤルにでも出ていろ」

その言葉は辛辣ですが、言いたいことはわからないでもありません。

 

棚橋弘至。自他共認める新日本プロレスのエースであり、暗黒期を支えた功労者です。

IWGPヘビー級の最多防衛記録を保持していたこともあり、選手層の厚い新日本プロレスの中でも、トップ選手の一人であることは疑う余地はありません。

しかし長年の激闘により身体はボロボロ。2007年に半月板の除去手術を行い、左右の靭帯はいくつも切れたまま。関節変形症を患い、一時は歩行が困難になるほど悪化したそうです。

本来膝を支えるはずの靭帯は無く、骨同士が擦れないようにする軟骨はすり減り、完治はしないそうです。

膝の処置をし、痛み止めを打ってリングに上がる棚橋選手ですが、見るからにコンディションは全盛期より劣ります。

それでも棚橋選手がエースであり、新日本プロレスの太陽であることは誰もが認めるところではあるんですが。

 

必殺技であるハイフライフローも膝を強く打つ技。空を舞う棚橋選手を見たいと思う気持ちと、心配する気持ち。両方あると言うのがファンの正直な所でしょう。

 

そんな棚橋選手が魅せるクラシカルなプロレスは、飛んだり跳ねたりの派手なアスリートプロレスとは真逆をいくスタイルでありながら、日本のプロレスの真髄とも言えるスタイルだと思います。

 

クラシカルスタイルの天才

sp.njpw.jp

そんな棚橋選手に挑むは、若干26歳で新日本プロレスのトップレスラーとなったジェイ・ホワイト選手。

母国ニュージーランドから単身日本へやってきて、たった一人で登りつめた男です。

オカダ・カズチカ選手と同じ『CHAOS』というユニットに所属していましたが、同じくCHAOSに所属していた外道選手にその才能を見出され、オカダ選手を裏切ります。

その後『バレットクラブ』という外国人選手がメインに所属しているヒールユニットの4代目リーダーとなり、頭角を現していきます。

 

ヒールユニットのリーダーらしく、外道選手の乱入や凶器攻撃、勝つためにはあらゆる手段を用いる狡猾さが目立ちます。

しかし試合スタイル自体は非常にクラシカルで、「棚橋弘至がヒールだったらこんな選手になっていただろう」とファンの間で呼ばれることもあります。

アスリートプロレス全盛期であり、空中殺法ができて当たり前の時代に、コーナーにすら登らないジェイ選手。非常に好感が持てます。

誰もが認める試合運び、プロレスセンス、技の完成度。若くして「100年に一人の逸材 棚橋弘至」と並び称される才能は末恐ろしくさえあります。

 

42歳のチャラ男と26歳のベビーフェイス

「プロレスにチャラさを持ち込んだのは俺」とは棚橋選手談ですが、今は昔と違い、イケメンプロレスラーは珍しくありません。

黒パンツにいかついおじさんが怒鳴りながら殴り合ってた時代はもう終わり*2、甘いマスクの外国人選手がハイタッチしながらリングインする時代です。

そんな中でも飛び抜けたビジュアルを持つのがジェイ・ホワイト選手(個人的な感想です)。

プロレス用語でベビーフェイスとは、ヒールレスラーに対する善玉レスラーの事を指しますが、ジェイ選手はヒールでありながら本来の意味の「ベビーフェイス(童顔)」を持つ逸材です。

今では髭をたくわえ、ワイルドに成長してしまいましたが、当時はその童顔をいかんなく発揮したビジュアルを披露してくれています。

 

立場は真逆でありながら、プロレスのスタイルは噛み合うという不思議な二人の良試合です。

新日本プロレス新旧イケメン対決。ご覧下さい。

 

*1:新日本プロレス最高峰(当時)のベルトをかけた試合

*2:いまだに黒パンツで殴り合うおじさんは居ます。逆にそれがかっこよかったりもするのですが。

【NJPW free Match vol.1】2018年5月4日 石井智宏vsEVIL(無料なのでプロレスを観てくれという話)

予告通り(?)プロレス記事です。

プロレスに詳しくない人を対象に書いたので、用語や説明を端折った箇所があります。ご勘弁を。

 

一番最後に試合動画のリンクを貼るので、ぜひご覧ください。

本日より一週間限定公開なので、お早めにお願いします。

 

現在僕がメインで追いかけている新日本プロレス

年間100大会以上の興行を行っており、そのほぼ全てを生中継する、『新日本プロレスワールド(通称:ワールド)』という専用の動画配信サービスがあります。

月額999円という破格の値段ではありますが、それも「全ての大会を生中継で観たいコア層」の話。

アマプラの年会費とdTVに入会してもおつりが出ると考えると、いくら興味があったとしても、なかなか入会は悩ましいところではないでしょうか。

 

そんな人のために、ワールドは動画の無料公開を行っております。

毎週月曜日更新。You Tubeにも同動画がアップロードされます。

過去の試合にはなりますが、現在も第一線で活躍する選手の名試合や、『現在』に繋がる非常に重要な一戦など、「今この瞬間に公開することに意味がある」試合が多く選出されています。(入会を促す目的の無料公開なので、試合のクオリティに関しては折り紙付き)

 

今回紹介するのもまさにそういった試合で、2年前の5月、『レスリングどんたく』と呼ばれる福岡のビックマッチで行われた一戦が選ばれました。

こちらは「煽りVTR」と呼ばれる動画で、タイトルマッチや特に注目度の高い一戦を盛り上げるために作られた、試合の予告編のようなものです。

 

「プロレスを2時間の映画に例えると、試合自体は最後の30分のようなもの」とは、新日本プロレスのエース棚橋弘至選手の言葉ですが、まさにその通りで。

その試合に至るまでの物語を、選手同士の因縁や過去の歴史から積み上げていく行為がプロレスには存在します。そんな起承転結の「起承」にあたる部分を濃縮し、試合(結)への盛り上がりを高める「転」がこの煽りVです。

 

ぶっちゃけ無料公開されている試合を観る下準備としては、この煽りVを観るだけで事足りるのですが、それだともう書くことがなくなってしまうので、一応補足として自分なりにまとめておきたいと思います。

 

 

 

石井智宏という漢

石井智宏選手。煽りVのサムネの左側、坊主頭の(…両方坊主に見えるな)、眉間に皺を寄せた(…両方寄ってんな)、とりあえず左の選手です。

当時、石井智宏選手を表現する言葉として多用されていたのが『名勝負製造機』。

誰と戦っても名勝負。石井の試合にハズレなしと言わしめる程のバチバチのファイトスタイルは、相手の技を全て受け止め、その上で勝つというわかりやすい戦法。

シンプルが故に見ごたえがあり、シンプルが故に人の心を打つ。

先輩後輩も関係なく、リングで対角線に立った相手には真っ向からぶつかっていくその気性の粗さは、「ストーン・ピットブル」というニックネームにも表れています。

そんな昭和の匂い漂う漢の対角線に立ったのが、EVILという「闇の王」でした。

 

King of Darkness

 

EVIL選手が新日本プロレスマットに上がったのは2015年のこと。

現在も新日本プロレスで随一の人気を誇るチームユニット「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」の二人目のメンバーとして登場しました。

ユニットリーダーである内藤哲也選手の制御不能な行動、発言により支持を拡大し、カリスマユニットとして成長していきます。

出すグッズは全てバカ売れ。観戦に行けば半数以上がロスインゴファン。メンバーも続々と加入し、一大ムーブメントとなりました。

そんな中でもEVIL選手は特に異質な存在で、黒いローブを被り、目の下には大きな隈。大きな鎌を携え、自らを「闇の王」と自称するその姿は、昭和であれば「怪奇派レスラー」と呼ばれていた事でしょう。

実力は十分。目を引くオンリーワンのキャラクター。プロレスラーに必要なものを全て持っているように見えるEVIL選手ですが、当時の印象は「タッグチームの片割れ」でした。

 

頂きへの一歩を賭けた戦い

プロレスには様々なルールがあり、1対1で戦う「シングルマッチ」、2対2の「タッグマッチ」、3対3の「6人タッグマッチ*1」などがあります。それぞれにチャンピオンベルトがありますが、やはり一番「位が高い*2」とされるのはシングルベルト。

EVIL選手は当時、同じロスインゴのチームメイトSANADA選手と組んでタッグチームとして戦っていました。何度もベルトを戴冠する名タッグではあったものの、シングルベルトの戴冠歴はなし。相方であるSANADA選手もシングルベルトの戴冠こそありませんが、トップ選手の一人であるオカダ・カズチカ選手と何度も激戦を繰り広げ、オカダ選手に「ライバル」と呼ばれるほどに。

タッグとして戦いながらもシングルプレーヤーとして頭角を現していくSANADA選手。

タッグのイメージが先行して、いまいち伸び悩んでいるように見えるEVIL選手。

そういう印象があったように思います。2017年のG1クライマックスというリーグ戦で、オカダ選手に勝利しているにも関わらず。です。

 

タイトルマッチは手を上げれば対戦できるというものではありません。そのベルトに挑戦するだけの実力があり、観客から支持を受け、チャンピオンに首を縦に振らせる必要があります。

これをできる選手とできない選手。なにが違うのかと言われると明言が難しいのですが、ここに一本線が引かれているのは間違いありません。

「トップ中のトップ」という枠に、入れそうで入れない。そんな場所で燻っていたように見えたEVIL選手。

「上に行きたい」「上に負けたくない」

立場や思想は違えど、同じような想いを石井選手も抱いていたと思います。

 

「あと10cmあれば」

 

誰もが認めるベルトを手にすることで、証明したいことがある。「今まで言ったことがないんだけど、IWGPに関しては一個、野望みたいなものがあって。『史上初の170センチのIWGP王者』。デビューしてから二十何年間『石井にあと10センチ身長があれば』って、何百回、何千回と言われてきたから」

(https://www.excite.co.jp/news/article/TokyoSports_1118014/ より引用)

 

身体能力が物を言うスポーツ、プロレス。昔は入門の際に身長が1cm足りないだけで門前払いをされていたそうです。

レジェンドプロレスラーである長州力天龍源一郎を師とし、現代で最も昭和のプロレスを体現すると言わわれる漢が、唯一持ち合わせていなかった「身長」という大きな壁。

体格は明らかにジュニア級*3。それでもトレーニングを重ねて100kgをキープしヘビー級で戦い続けています。

IWGP王座を夢見ながらもいまだ未戴冠。NEVER無差別級ベルトという別のベルトを何度も巻き、「NEVERの戦い」を創り出した立役者の一人ではありますが、当時43歳。所属選手の中でも上から数えたほうが断然早い年齢です。

しかも当時のIWGPチャンピオンは、同じユニット『CHAOS』に所属するオカダ・カズチカ選手(同ユニットのタイトルマッチは、絶対ではありませんが基本的に避けられている印象です)。

 

時代が悪いのか、タイミングなのか。

あと少しが届かない。

 

どれほど「名勝負製造機」と呼ばれても、勝たなければタイトルマッチにはたどり着けません。結果、内容、インパクト。その全てを高次元で自らに求める石井選手にとっては、「いい試合だったね」は褒め言葉になりません。

 

「“上”に行くための通行手形が欲しい」

二人の思惑が一致したことで自然発生的に生まれたのがこの試合でした。

 

新日本プロレスへの挑戦

全く相容れない対戦相手と、勝敗を超えた先に共通認識が生まれることがあります。

「いい試合をしたい」

「ヘビー級に負けたくない」

「このベルトのタイトルマッチこそ至高だ」

その理由は様々ですが、今回生まれたのは、「“華”への反骨心」だと思います。

 

この試合はセミファイナル、つまり最後から2番目の試合でした。ではメインイベントは?というと、

オカダ・カズチカ選手vsSANADA選手のIWGPヘビー級タイトルマッチでした。

それぞれのユニットの盟友が、ベルトを賭けてこの後試合をする。それだけでも燃える理由になりますが、メインイベントを戦うこの二人。圧倒的な“華”があります。

www.youtube.com

整ったビジュアル。驚異的な身体能力から放たれる大技の数々。名実共にライバル関係となった二人のタイトルマッチは、メインイベントに相応しいでしょう。

石井選手もEVIL選手も、もちろん人気の選手です。しかしその試合スタイルは泥臭く、無骨で、決して華やかではありません。

 

プロレスに必要なのは華やかさなのか?はたまた無骨さなのか?

答えは出ませんが、泥臭さを纏った「ただの」シングルマッチが、その後のタイトルマッチよりもインパクトで勝る。ベルトより価値のある「漢の闘い」を魅せる。

そういった想いが二人にあったのかもしれません。

 

試合に対し、勝敗を超えた先の想いがあったとしても、次に繋がるのは常に勝者です。

事実、この試合の勝者にはチャンピオンからのアプローチがありました。

 

 

さいごに

色々と書きましたが、この二人に言葉は必要なかったなと改めて試合を観て思いました。

逃げる、下がる、スカす…。あらゆる後退のネジが吹っ飛んだ、超攻撃特化のシバき合い。

どちらが頂への一歩を掴んだのか。是非試合を観て確かめてみてください。

 

www.youtube.com

 

*1:この「6人」という数え方、最初は凄く違和感ありました。今もあんまりしっくりきてないですが。

*2:あまり“格”とか“位”で区切るのは好きじゃないんですが、自分ひとりの力で勝ち取るという意味ではやはりシングルベルトなのかなと。

*3:新日本プロレスは100kg未満をジュニアヘビー級、100kg以上をヘビー級と定義しています。

INAZUMA ROCK FES.2016-2020

ライブレポが書きたい。そう思って少しづつ書き溜めてました。

これからも死ぬまで通うであろうイナズマについては、個人的にもまとめておきたかったのでちょうどいいかなと思って。

初参戦の2016年から昨年オンラインで開催された2020年まで、5年間の想いがつらつらと書き殴ってあります。個人的なレポなんでセトリとかには深く言及してません。

ただ「イナズマが好き」と大声で叫んでいるだけです。なんの役にも立たない文章なんで読んでくれとも言えません。めちゃくちゃに長いし。

 

 

 

2016.9.17(SAT)-9.18(SAN)

 

inazumarock.com

初参戦となったこの年。

毎年もちろんチェックはしてたんですが、愛媛から滋賀へのアクセスが当時の自分には難しかったこと、勤めていた会社がアレだったことなどまぁ色々あり(今考えたら言い訳でしかないんだけど)、当時岡山を拠点に動いていたのもあり、なんとか2日目だけ現地に行けることに。

1日目の終わり時間ぐらいに草津入りし、翌日朝から烏丸半島に入り浸る流れは翌年にも持ち越され、この判断はのちに忘れられない後悔を生むことになります。

 

なんて発言も飛び出し、イナズマへの気運も高まります。

ZEUS BATTLEが待ち構えてるとも知らずに。

 

 

そして2日目当日。

ホテルから観た景色。初めてのイナズマは雨から始まります。

今でこそ身を持って知っていますが、雨のイナズマは過酷です。

ライブスペースとして開放してあるエリアは普段は芝生公園として使用している場所で、何万人もの人に踏みしめられた芝生は泥が湧き出し、ライブキッズのクロックスを容赦なく飲み込みます。フードエリアのテントは雨を避ける人で溢れかえり、名物のかき氷出店には閑古鳥が。

そんな劣悪環境に初参戦。


f:id:YaN:20210225095241j:image

浴衣。

今思うとだいぶハイになってたんだと思います。雨もそこまで大降りではなかったことと、「雨なんて降るはずがない」というどこから沸いたかわからない自信が、身体を濡らす雨を忘れさせていたんだと思います。

環境【✕】、装備【✕】、テンション【◎】の初参戦ですが、目一杯楽しみました。

 協賛として初めて参加してくださった小泉成器さんのMONSTERブースで記念撮影をし、毎年美味しいとTwitterで話題のフードエリアを満喫し、龍神STAGE*1で穏やかな時間を過ごし。

 

 しかし夕方辺りから文字通り雲行きが怪しくなり、時折大粒の雨が強く地面を叩き始めます。

当時龍神STAGEの隣には『おいで〜な滋賀体感フェア』という地元の観光協会や農業高校が出店しているブースがあり、雨に濡れる人々をテントに招き入れて雨宿りさせてくれていました。この年から僕の滋賀体感フェア推しが始まります。雨傘の義理。

 

本来予定されていたタボくんバンド*2のパフォーマンスが難しいほどの天候になりましたが、混乱する現場を仕切ってくれていたアンタッチャブル柴田さん。急な呼びかけにも関わらず雨の中ステージに飛び出し場を持たせようとしてくれていた芸人の方々。転倒の可能性を少しでも減らそうと、ステージ上の水滴を必死で拭いていたスタッフの皆さん。

そんな中でもステージに上がり、パフォーマンスをしたタボくんバンド。

小さいながらも、イナズマの全てが詰まった素晴らしいステージだったと思います。

この年から僕のタボくんバンド推しが始まります。全国ツアー待ってます。

 

そんなこんなで天候は最悪ですが、あまりぎりぎりに入っても慌てるだけだと雷神STAGE*3へ。

ちょうど『ゲスの極み乙女』のパフォーマンスの終盤頃だったと思います。残すは『MAN WITH A MISSION』『UVERworld』『T.M.Revolution』。初野外でのT.M.R.を堪能する予定でした。しかし、

始まらないステージ、轟く雷鳴、予定にないはずの井上麻子氏・仙石幸一氏*4の登壇。

会場は安全であると繰り返し伝えてはくれるものの、明らかな非常事態。ライブエリアでしゃがみ込み、雨の中じっと耐える時間が長くなるほど、これが一過性の物では済まないかもしれないという想いが強まっていきました。そして・・・

中止。

イナズマ史上初めてのことでした。

ステージに上がり、中止を直接告げ、深々と頭を下げる貴教の姿がスクリーンに映し出され、会場全体が沈んだような雰囲気になったのを覚えています。

おそらくこの日最も動員の多かった3組のパフォーマンスを残して終わってしまったことは、きっと多くの人が落胆したことでしょう。

さて、僕はというとあまりショックではなく(というと語弊があるんですが)

今が非常事態であること、まずは無事に怪我なく帰る事が次のイナズマに繋がること、この悪天候の中ライブが続いていたらどうなっていたんだろう?という不安からの開放。色々な想いはもちろんありましたが、この時一番強く思っていたのは「イナズマ楽しかった!」でした。

T.M.R.のためだけに滋賀まで来て、T.M.R.のために雨に耐えたにも関わらず。その唯一の目的を奪われてしまった時の感情が、イナズマへのポジティブな感情でいっぱいになっていたのは自分でも驚きで。

この年から僕のイナズマ推しが始まります。

 

今でこそ「そんな年もあったね」なんて雰囲気で語られることもありますが、当時のTwitterの重苦しさといったら凄まじいもので。

中止のショックもさることながら、雨の中長時間シャトルバスを待つことになり気力も低下し、冷えた身体が体力を奪っていく。そんな体験をした直後に楽しく振る舞えというのが無理な話だと思います。

貴教を慰め、来年への機運を高めようとする声もありましたが、なんだか今年のイナズマは触れたくない過去になってしまいそうな雰囲気すらありました。

そんな中、「イナズマ楽しかった!」と大声で言いたい僕は、Twitterにはそこそこに書き置き、リアルで「イナズマ楽しかったぞ!」と大声で叫んでいました。楽しかった思い出だってあっていいんだと自分に言い聞かせてたんだと思います。

 

翌日ジョイポリスでツアーファイナル公演を武道館で行うという発表があり、きっとイナズマで大々的に発表したかったんだろうなぁというのが伝わってきてしんみりとしたりしました。Route 20、楽しかったっすね…

 

この年を受け、悪天候への備えが必要であるという決意を新たにした結果、翌年は今年以上の重装備で臨みます。

 

2017.9.16(SAT)-917(SAN)

inazumarock.com

この前日、9月15日には『イナズマロックフェス2016リターンズ』と題して、昨年中止になってパフォーマンスできなかった3組が出演するフェスを無料開催し話題になりましたね。

「イナズマロック フェス 2016 リターンズ」に UVER、T.M.R.、マンウィズ|音楽フェス

行けてないので触れられませんが。

 

この年も2日目のみ参加。

 昨年に続き、またしても台風に追いかけられながらの移動。同じ轍を踏むものかと長靴とポンチョを新調し、さて滋賀へ向かうぞと車に乗り込んだ辺りでとんでもないニュースを目にします。

 

えっ?

えっ???

 

えっ!?!?

 

このショックを受け、翌年は全日参戦となります。(ちなみに2021年現在、イナズマで天風が披露されたのはこの一回のみです。神よ…)

まぁ一番のショックはこのあと訪れるんですが。

 

 

その後無事に滋賀入りし、去年と同じホテルへチェックイン。荷解きをしようとしていた矢先のことです。

 

2年連続中止。正確には去年は中断だったので、開催自体を中止にするのはイナズマロックフェス史上初めてのことでした。

去年の事態を受けての迅速な判断。正しい。圧倒的に正しいと心では理解していても、1日目参加者の「せめて今日だけでも開催できてよかったね」の声を聞きながら歩く草津の街は、昨年雨の中シャトルバスを待ったあの時間が幸せに満ちていたと感じるほどでした。心折れるかと思った。

 

2年連続の夏フェス中止が各メディアで大きく報じられられたこともあり、9月開催を変更すべきでは?との声も大きく挙がったのもこの時期でした。

改めて周知していただきたいのは、9月開催である理由。

 

他にも、千葉県で行われる某フェスと日程が被る事が多く、競合を意識した開催日時を検討すべきとの声もありましたが、こちらには開催意図が別にある以上検討の余地がないこと、

そしてイナズマロックフェス9年の歴史の中で、中止になったのは直近の2年だけであるということ。

 

9月を避ければ中止のリスクが無くなるというものでもなく、屋外である以上避けられないものがたまたま続いただけとご理解ください(それから毎年目にして辟易しているので改めて書きますが、イナズマロックフェスの「ロック」とは音楽ジャンルではなく心のあり方ですので、アイドルだろうが芸人だろうがその心にロックの炎が灯っていればそれはロックフェスですので)*5

 

話が逸れましたが、2年連続お預けを食らい失意のまま翌日滋賀を後にし、途中で京都に寄り悲しみを吐露し、なんとか台風より先に家路につくことができました。

当時は本当に凹んでいて、来年は行かない方がいいんじゃないか?とか本気で考えてたんですが、貴教の「中止ではなくキャリーオーバー」の言葉ですぐ立ち直り、翌年こそは全日参加をと気持ちを新たにするのでした。

 

2018.9.22(SAT)-23(SAN)-24(MON)

inazumarock.conn

記念すべき10年目の開催。毎年変化してきたロゴのカラーもレインボーになり、なんと3日間開催。確かに昨年全日参加を掲げたものの、まさか1日増えるとは思わず面食らいました。

さて、最大の懸念事項である台風はというと、いくつか発生しているものの本州近辺には迫っておらず、今年は豪雨に悩まされることはなさそうです。

 

しかし念には念を。

inazumarock.com

晴天祈願企画と題しててるてる坊主企画を開始します。ついに神頼み。しかも会場にモニュメントを置いて飾れるようにする徹底っぷり。絶対に「雨は降らせない」という意地を感じます。

f:id:YaN:20210228224150j:plain

その時奉納したてるてる坊主がこちら。レインボーカラー7色×3日分で21体を製作し滋賀入りしました。

 

T.M.R.のグッズにも「TYPHOON」の文字が入り、長年風で飯を食ってきたアーティストが風を否定するというよくわからん事態に。


f:id:YaN:20210228222743j:image

 即買いました。最高ですね。

 

この年は3日間開催ということもあり、TNNK*6a.b.s.T.M.R.がそれぞれの日に出演するという特別な年でした。3名義もあると大変だ。

 全名義のサポメンが一堂に会する珍しいショット。

 

 

さてイナズマ当日。毎年草津駅から徒歩圏内にある『野村公園多目的グラウンド』にシャトルバス乗り場を設営するのですが、この年は野村公園が改修工事をしており別の場所に乗り場が設営されていました。

 草津駅西口から昨年までの乗り場である野村公園までで徒歩15分はかかるというのに、20分という強気な設定。ええ30分以上かかりましとも。残り時間を示す貴教のパネルの時間がどれだけ歩いても減らないのが逆に遠さを際立たせていた気がします。

 

毎年このシャトルバス乗り場までの徒歩がネックだなぁと思うものの、道すがらの商店で商魂たくましくドリンク販売してたり、結婚式場のプランナーさんが手を降ってくれたりするほんわかロードなので実はちょっと好きだったりします。

 

 

 

見事な晴れ。誰がなんと言おうと晴れ。

「俺が来ても晴れてくれるんだ、イナズマ」とか思いながら入場ゲートでひと泣きし、さっそく雷神エリアへ。

なんとこの年は西川貴教がトップバッター。毎年恒例の滋賀県知事による開会宣言も我らが貴教が担当ということで、フリーエリアもそこそこにライブへの機運を高めます。体調悪くなってきた

 

オープニングアクトの演奏も終わり、貴教を待っていると流れ出す『イナズマロックフェスの10年を振り返るVTR』。2年連続悪天候に悩まされたイナズマが、無事10年目を迎えられたことへのサプライズ演出。

情熱大陸を模した貴教のインタビューから始まり、各年のダイジェスト映像が流れ、会場を盛り上げます。

 

それを観ながら大号泣する男。今まで生きてきて「いやーめっちゃ号泣したわー」とか言ってたのが号泣でもなんでもなかったんだと。こんなに目から急に水出て大丈夫なのかと心配になるほどの大洪水。声も出ない。溺れるかと思った。

 

2016年、2017年と辛酸を嘗めてきた2年間、イナズマで泣かなかった分がここで全部出たんだなと。やっと、やっとイナズマが始まるんだなと。

 

前述しましたが、イナズマロックフェスは別に雨ばかりのイベントではありません。たまたま直近2年間に悪天候が重なっただけです。ただ、その2年しか来ていない自分にとっては、イナズマは雨なんです。

「イナズマは9月だけど暑いよ」「かき氷が美味いんだ」「イナズマが終わってやっと夏が終わる」。そういう声はたくさん聞きました。でも僕が体験したイナズマにはどれもないんですよ。

雨に打たれた身体はガチガチに冷え、かき氷なんて食べてる場合ではなく、夏が終わるどころか会場に行く前にイナズマは終わりました

そんな2年間を耐えた僕が芝生のど真ん中で青空を観ながら泣くのを一体誰が責められましょうか?

 

未だに当時の放送を観ると目頭が熱くなります。パブロフの犬のやつ。

 

そのまま貴教のオープニング挨拶。そしてライブへとシームレスに突入。今思い返すと、TNNKとしてのライブはこの日が初だったんですよね。まだ楽曲も定着しておらず、初々しい雰囲気で聴く貴教はまた違った味わいがありました。TNNKはいいぞ*7

 

さて、いきなりメインディッシュを食らってしまったので、この日はまったりフリーエリアでも散策する

予定だったんですけどね。

 

 

フリーエリアに鳴り響く轟音。

聴き馴染んだメロディ。

あ、天風が聴こえる。

 

自然と足が向く*8そのステージでは、タボくんバンドが演奏を行っていました。

 

「えっ、タボくんバンド天風演るの!?!?なんで!?!?」

 

後に知るんですがタボくんバンド。イナズマだけでなく全国様々なステージでT.M.R.の楽曲に合わせて踊るステージを行っているんですが、どうやらセトリが神。

「テレビ局の意向で番組での歌唱曲が選択されることもままある(意訳)」とは我らが御本尊の言葉ですが、着ぐるみ界のロックスターことタボくんには関係ないようで。

テレビどころかライブでも滅多に聴けないようなレア曲で会場を温めてくれます。*9

この年から僕のタボくんバンド推しが不動のものとなります。全国ツアー早くしてくれ。

 

 

明けて2日目。

朝イチで烏丸半島入りするかと思いきやまさかの映画館。

 

当時『パパはわるものチャンピオン』っていう新日本プロレス全面協力の映画がやってまして。どうしても観たいのでイナズマの隙間に差し込みました。初3daysなのに舐めプ。リスクヘッジのできない男。

 

この映画、ほんとに良かったのでそのうち紹介します。観てね。

 

さて当日の服装ですが、

2年前何も学ばなかった男。本当にリスクヘッジができない。

というか今までの思い出を全部上書きしていこうという気概が炸裂してたんだと思います。いじらしいね。

それ以外にもちゃんと理由があって、この2日目はabingdon boys school*10としての出演のみだったのですが、初日と違いタイテも後方。お目当てのアーティストも他にいない*11ということで、動きにくい浴衣を着るにはこの日しかない!という綿密な計画の上での浴衣です。(最終日はそのまま帰るので軽装が理想ですし)

 

しゃなりしゃなりと会場入りし、フードエリアで貪り食う。いやほんとイナズマのフード本当に美味しくて好きなんですよね。他のフェス行ったことないので*12比べられませんが、ご飯食べて無料ステージ眺めるためだけに来る価値はあるなと毎年思います。派手さはないけど、その分「地域密着型夏フェス」の地位を確立させることには成功したなと。

ご飯がイナズマの形。そういうことしちゃう。

スプーンにタボくん。そういうことしちゃう。

 

 

日も傾き始め、雷神エリアへ。

a.b.s.は6年ぶりのライブだそうで。こちらとしては12年越しの初遭遇なのでそれ以上のドキドキです。

世界一夕暮れ時が似合う楽曲『From Dusk Till Dawn』を夕暮れ時に聴き*13、その後絶対来るであろう『キミノウタ』を予想通り食らいハチャメチャに泣き。それはもう素晴らしいライブでした。a.b.s.再始動の予感がしました。まぁこのあと1年間活動という活動はないわけですが。

 

とはいえ初a.b.s.。ものすごい満足度でした。たとえ嫁曲『アテナ』が来なかろうと。*14

アテナ

アテナ

 

トリを後輩に譲ったことでこちらとしても時間に余裕ができ、最後にフードエリアの散策。

f:id:YaN:20210324230927j:plain


この時間帯って程よく空いてて、かつフードが割引きされ始めてて狙い目なんですよね。もし将来貴教が歌わないイナズマが開催されたら、ずっとフードエリアで人と話してると思う。ここの雰囲気超好き。

この写真見て思い出したんですけど、この年なぜか会場でスタッフがタトゥーシール配ってましたね。例年までは『おいで〜な滋賀体感フェア』ブースでゆるキャラのシール配布してるぐらいだったんですけど。それからイナズマポーズみたいなのも推されてましたね。某氏*15が発案のはずなんだが・・・?

タトゥーシールが全然剥がれなくてホテルで困り果てたのもいい思い出です。

 

 

サクサクいきます(?)3日目。最終日。

 

 あれやこれや言いますが、やっぱりT.M.R.なんですよ。これを聴くためにここに来ている。

職を変え住処を変え、三度烏丸半島へ通い、それでもなお出会えない野外のT.M.Revolution。2016年で止まった時計がついに動き出す。ちなみに払い戻しをせずに握ってたイナズマ2017のチケットは、エステー(消臭力)ブースのスタッフにもぎってもらいました。ちょっと泣きそうでした。

 

てるてる坊主を奉納し、MONSTERブースでプリを撮り*16。3日目ともなるともはや日課

 

色々あった3日目ですが、個人的に語っておきたいのがタボくんバンド。

「またか」と言われるかもしれないんですけど、この日はいつにも増して凄かった。

 まさかのるろうに剣心合わせ。その中でも一際目を引くのが、右から二番目、埼玉県羽生市からやってきたイナゴの化身『イナゴージャス』

斎藤一ですってよ。似合いすぎだろお前。隣でいなッピーが野沢菜巻きおにぎりみたいになってるのになんだそのガチ感は。

るろうに剣心で育った少年期、『HEART OF SWORD~夜明け前~』で貴教と出会い、以降引き返せなくなるほど頭までどっぷり西ヲタに漬かってしまった身としては、『るろ剣』には深い深~い思い入れがあります。

それがまさかこんな形で回収されるとは。いやぁ長年オタクやってみるもんですな。

*17

この日タボくんバンドはインヘリも演り、ついに天風もインヘリも演る神バンドへと昇華しました。本当にセトリ誰が考えてんだ。友達になってほしい。

タボくんバンドは本当に良くて。ただゆるキャラが貴教の楽曲に合わせて踊るだけなんですけど、タボくんに「貴教の化身」であるという自負がとても強くて。

声援少ないとステージ降りようとするところなんか最高に貴教って感じでテンション上がるんですよね。よりにもよってなぜ古の北風ムーブを継承するのかとも思うんですけど、昨今御本尊が丸くなったこともあり、久々にギラついた貴教を思い出すなって気持ちになれるので好きです。本当に全国ツアーやってほしい。

毎年タボくんバンドは龍神STAGEに2回ほど上がるので、是非観てみて下さい。セトリがマジで読めないのでめちゃくちゃ楽しいです。

 

最後はタボくんバンドを盛大に浴びてからのメインディッシュT.M.Revolution

3日間遊び倒したのちの最後の追い込み運動。

「帰宅の体力を残しておきたいな」という想いを忘れさせる非情なEDMアレンジ。トドメのDOUBLE-DEAL

セトリの最後にDD置くことに関しては一家言あって。天ツでド頭任されてきたDDが時を経てセトリの殿を務めるまで成長したことの喜びは一入で、勝手に天風とライバル関係みたいな認識でいるので悔しい気持ちはあるんですけど、「闇夜の黒と特効の炎の赤がめちゃくちゃ似合うなぁ!!!かっけぇ!!」となるので僕の負けです。

 

最後のLakersは特別仕様。Day3の参加者の方々がステージに上がり、皆で大合唱。*18

Lakers

Lakers

この曲は元々滋賀県で開催された『びわ湖毎日マラソン』のイメージソングだったんですが、びわ湖をイメージして制作されたということでイナズマのイメージソングとして歌われ定着した背景があります。

今ではT.M.Revolutionのライブでも聴くことはできず、イナズマ最終日のオーラスでのみ歌われる特別な楽曲だったりします。

つまりLakersを歌うということは、今年のイナズマが無事開催され、そして無事に終わったということ。

「イナズマおつかれ」を笑顔で言うのに3年かかってしまった。

ようやく今までの全てを清算し、僕のイナズマは終わりました。いや、翌年も行くけど。

ちなみに最後のT.M.Revolutionで体力を使い果たしたので、帰宅への道は険しかったです。後泊大事。

 

2019.9.21(SAT)-922(SAN)

inazumarock.com

 

無事10周年を乗り越えた11年目。毎年1月末〜2月上旬辺りに貴教が滋賀県知事へ表敬訪問を行い、イナズマの開催宣言とその報道が流れるんですが、今回はもうひとつありまして。

開催の特報ムービー。泣かせるじゃあねぇか。

この素材を集めるために、昨年タトゥーシールを配ったりイナズマポーズなるものを流行らせようとしてたんですね。そういえば昨年2日目に撮影陣に撮られたな。一切使われてないけど。a.b.s.始まるから早く雷神STAGE行きたいのに頑張って協力したのにな。でもムービーがいい出来だから許しちゃう。また作って欲しい。

 

毎年恒例台風情報ですが、1週間ほど前に台風が過ぎ去っており、「今年は大丈夫だな!」と余裕ぶっていたら貴教の誕生日に台風が発生しました。

イナズマ公式が台風に関する情報を発信し始め、嫌な緊張感のなか迎えたイナズマ1日目。

現地班によると雨もほぼ降らず、懸念事項のひとつであった芝生のぬかるみも発生していないとのこと。つまり快晴。

去年までであればここで滋賀入りをし、前泊で体力を温存するのですが今年は違います。

日帰りを敢行しました。

歳を重ね体力が低下していくというのに、なぜどんどんしんどい方向へ舵を切るのか。

リスクを負ったおかげか、雲ひとつない快晴。

 

昨年同様、トップバッターとして貴教がabingdon boys schoolとして登場。少しずつトリを後輩に譲る流れが出来てきているのは、寂しい反面、イナズマが次のステージへ進んでいく序章でもありので嬉しくもあり。という複雑な感情ではあります。

初日がTNNKとしての出演だったので、初めてT.M.R.の出演がない年でした。*19

個人的には3名義とも愛しているので構わないんですが、やはりT.M.R.が居ないのは寂しいですね。

 

しかしa.b.s.も1年ぶりのライブ。気合いの入ったパフォーマンスでした。

ド頭にキミノウタ、みんな大好きPINEAPPLE ARMYがまさかのイナズマ初登場。

PINEAPPLE ARMY

PINEAPPLE ARMY

更には来年のツアー発表*20と、怒涛の30分でした。

 

本来この日はa.b.s.のみの出演だったんですが、GRANRODEOが怪我により出演キャンセルとのことで、急遽TNNKがステージに上がることに。 

TNNKは2Days出演となります。

ここで重要なのは、『REAL×EYEZ』を演るのか否か。

 

REAL×EYEZ

REAL×EYEZ

  • J×Takanori Nishikawa
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

 

 

当時放送中だった『仮面ライダーゼロワン』の主題歌であり、一年周期で作品が変わっていくニチアササイクルのことを考えると、ゼロワン放送中に歌える最初で最後のチャンスがこの日となります。

当時放送は第4話。TV放送でしっかり楽曲は流れており、TVサイズの配信も始まっていました。

イナズマに合わせて発表された公式グッズのカラーは蛍光イエロー。まさにゼロワンのカラーリングです。

 悲願の仮面ライダー主題歌。ここまでの道のりはそれはそれは険しいものでした。*21

東映サイドには、楽曲製作依頼から納品まで一月程度しか用意されなかった話なんかも飛び出しました。*22

それでも、素晴らしい楽曲を用意してくれたJさんには感謝しかありませんし、今日ここでREAL×EYEZが聴けるなら全て大方許せます。

もしかしたら寛容な東映のことです。イナズマに仮面ライダーのスーツを貸出し、ステージ上で貴教とゼロワンのツーショットなんてのもあるかもしれません!!!

 

全部なかったです。はい。

 

のちに判明するんですが、フル完成してなかったみたいですね。東映のスケジュールのせいでしょう。白倉ほんとお前・・・

 

とはいえ前日に続き、新曲『Crescent Cutlass』の初披露もあり、充実した時間となりました。

それから『BIRI×BIRI』があったのもよかったですね。ことあるごとに魔改造を重ね、今ではEDMなのかラウドなのかよくわからないほどまでにゴリゴリに進化したBIRI×BIRI。タイトルもイナズマ繋がりでぜひ聴きたいと思っていた一曲でした。これから定番になってくれることを願います。

 

本日のトリはももいろクローバーZ。これも恒例なんですが、トリのアーティストのステージに貴教がゲストとして上がり、一緒に歌うというものがあります。

基本的にそのアーティストの楽曲を歌うことが多いので失念していたんですが、ももクロというアイドル兼ロックスターは、イナズマで必ずと言っていいほど西ヲタにお恵みをくださいます。

 

2014年、2015年と自らのステージでINVOKEをカバー。2016年はトリのT.M.R.のステージに出演し、本人と一緒にINVOKEを歌っています。鬼のINVOKE推し

とくれば今年も何かやるに違いない。実際やってくれました。

 

ステージに西川貴教を呼び込み、『Meteor -ミーティア-』を歌わせるという偉業。

 

しかも原曲。*23

これでTNNK、a.b.s.T.M.R.の三名義が同日に揃ったことになります。イナズマ史上、おそらくこんな日は二度と訪れないでしょう。それほどの功績。思わず拝んでしまいました。

盛りだくさんだった日帰りイナズマ。やはり代償は大きく、帰ってから数日は身体がガタガタで大変でした…

一日中屋外で歩いてるので実は体力使ってるんですよね。いつかはプレミアムチケット*24で入ってみたい。

 

 

2020.9.19(SAT)

inazumarock.com

https://www.youtube.com/watch?v=MUj4pN1yxb8

12年目にして、西川貴教50歳の記念すべき日。

初のオンライン開催となった昨年のイナズマロックフェス

そうなった経緯を時系列で残しておこうと思います。

例年通り、三日月知事と表敬訪問。イナズマロックフェス2020の開催が発表されました。たび丸くんだけアスペクト比が狂っている。

今回のイメージカラーはフォレストグリーンだそうです。10年目にレインボーカラーを掲げた後は、1年目と11年目はブルー、2年目と12年目はグリーンと色合いを合わせてきているようです。20周年のレインボーが楽しみですね。

 

3月。旗色が悪くなってきます。

 イナズマフードGP*25の延期。『EXTRA LARGE』と題し、内容を拡大して開催する予定でしたが、こちらも中止となってしまいました。

「イナズマを県内の年中行事とし、各地で派生イベントを開催していきたい」という貴教の思想を背負ったイベントだけに、残念でなりません。

 

そして5月にはミュージックステーションに出演し「Lakers」を歌唱。

イナズマの開催が危ぶまれる中、このアクションが烏丸半島への道の一縷の望みだと願っていましたが・・・

当時、今夏に行われるはずだった全国の夏フェスは軒並み中止。イナズマももちろん中止になってもおかしくない雰囲気でしたが、オンラインという形をとったことによりなんとか開催となりました、消えたたび丸くん。

 

「置かれた場所で全力で咲く」がモットーの男、西川貴教。転んでもただでは起きません。サブスクLIVEという新たなプラットフォームからの配信を決定。利用料金は月額580円。チケット代は?

 

 えっ!?いらないの???

本来一万円なのに???

最初何かの間違いで、PPV的なやつで別途有料チケットが必要なのかと思っていましたが、のちにちゃんと580円で全編観ることができました。

しかも出演者は滋賀県に来る必要はなく、出演してくれるアーティストが希望する場所に、全国どこへでも中継カメラを飛ばすと。太っ腹が過ぎる。

 

やると決まってからの貴教の活動は目まぐるしく、「滋賀県ご当地モール」と銘打った特産品セールの宣伝、配信プラットフォームの拡充、アナザースカイ出演、チャリティーオークションへの呼びかけと忙しくされていました。その中でもひときわ目を引いたのが、「イナズマキャラバン」でしょう。

 

大津市長から始まり、東近江市守山市高島市長浜市近江八幡市野洲市甲賀市へとそれぞれの市役所へ出向き、市長と表敬訪問の滋賀行脚。

いつもの大津や野洲だけでなく、湖北や湖西にも出向きました。

 

僕自身滋賀に住んでるわけではなく、耳に入ってくる噂程度の知識しかないのですが、どうやら琵琶湖を挟んで東西で少ししがらみがあるようで。

 

本来滋賀のお祭りとして立ち上げたはずのイナズマが、県西側からはあまり受け入れられず「よその祭り」といった認識をされていたそうです。開催当初は琵琶湖の対岸から騒音の苦情も出ていたと聞いたことがあります。

フリーエリアにゆるキャラの専用ステージがあり、全国からたくさんのキャラクターが集まってくれているのに、その中にひこにゃんが一度も姿を見せない。その事実が噂に信憑性を持たせていました。

その風向きが変わり始めたと感じたのが、2019年のこと。

 ついにひこにゃんが烏丸半島へ。タボくんとひこにゃんが並ぶのに10年かかりました。

イナズマが滋賀県全体のお祭りとして定着するのにはまだ時間がかかりそうですが、いつか彦根市でイナズマの派生イベントが行われることを願っています。

 

 

その後、貴教は出演者の交渉やチャリティーイベント等で忙しくしていましたが、僕としては当日まで特に準備することが無く。

いつもだと、やれ「移動手段は~」「荷造りは~」とバタバタする時期なんですが、今回は家から一歩も出ずに済んでしまうので。

 

 あまりに暇なので家の飾りつけに精を出していました。エアコン全開の快適な空間でビールが飲めるイナズマ。素晴らしい。

Twitterの実況ができるのも楽しかったですね。タグが乱立してめちゃくちゃ混乱して笑ってたのを覚えてます。

 

いつもだとステージチェンジの時間を芸人さんで繋ぐのですが、今回はパフォーマンス後に貴教とのトークパートが挟まれていたので、イベント開始早々結婚弄りをされ上手く返せないほどたじろぐ貴教というレアなものが見れました。サンキューももクロちゃん

最後は滋賀県庁内を練り歩きながら「Lakers」を熱唱。県庁をここまで自分の庭のように使えるアーティストは西川貴教ただ一人でしょう。

 

 この年のイナズマは、いつもと何もかも違いましたが、なにより開催することに意味がありましたね。

何事も一度止めてしまうと、また動かす時には大きな力が必要になります。行政の協力があり毎年開催されているとは言え、あくまで貴教個人が主催で動くことにより続いているイベントです。

実際に2018年のイナズマ10周年が終わったころ、11年目をやるのか?やらないのか?を改めて考えたそうです。

 

2021年9月18日、19日にイナズマロックフェスの開催が決定しています。

13回目のイナズマ。きっとこれからも続くでしょうし、当分貴教もステージに立ち続けるでしょう。しかしそれもずっとではありません。そもそもまだ情勢は落ち着いたとは言えませんし、どういう形で開催されるのかのアナウンスすらもない状態です。

一回目から欠かさず通っている人がいる中で、たかだか数年行っただけの自分が偉そうなことを言える立場ではないんですが、イナズマ、行ってください。

会場へのアクセスは悪い、台風は多い、そもそも遠い。正直もっと手軽で豪華なフェスは他にいくつもあると思います。それでもイナズマが素晴らしいのは、別に西川貴教が主催だからだけではありません。

地域活性化をメインに掲げたことによる温かみ*26

毎年動線やトイレの位置など少しずつ改善されていく手作り感*27

地元の夏祭りがそのまま大きくなったような、そんな懐かしい気持ちにさせてくれる場所なんです。

毎年フジテレビNEXTで後日配信がありますし、お目当てのアーティストはそちらで楽しむことはできるでしょう。しかし、イナズマの一番楽しいところはそこじゃないんです。行かないとわからない楽しさがイナズマにはあります。来てください。

これを読んだあなたが、今年のイナズマで汗だくになりながらかき氷を頬張っていることを願います。烏丸半島で、僕と握手。

 

 

 

あとがき

やってしまった。まさかの2万字。1万あたりで嫌な予感がして「1万5千ぐらいいっちゃうな」と思ってたら、まさかここまで長くなるとは。

まぁ5年分で2万だから。実質4千文字(?)

リンクの文字も含まれてるので実際はもっと短いでしょう。

それでもこんなに長くなるとは思わなかった。今年のイナズマからはもっと簡潔にまとめるようにします。じゃないと自分がもたない。

 

*1:ゆるきゃらメインのステージが設置されている無料エリア

*2:タボくんといなッピーによるユニット

*3:イナズマロックフェス唯一の有料エリア。ここ以外は無料で楽しめます。

*4:FM滋賀e-radio『イナズマロックレディオ』のDJ

*5:むしろロックかロックじゃないかを外野が定義すること自体が、最もロックから遠い考えじゃないかと

*6:西川貴教本人名義での活動

*7:『HERO』を聴いてくれ

*8:シュババ!!!

*9:JAP→(クラップ繋がり)→アンカバハイプレ→(夏曲繋がり)→アンカバホトリミ→サマブリなんてセトリは一生聴ける気がしない

*10:西川貴教ボーカルの4人組バンド。結成当時のサポメンと組んだので、今となってはレアなメンバーだったりします。この日が6年ぶりの活動ですが休止とかではなかった。ほんとに?

*11:この日超特急が出演していました。数年後ちょっと凹むこととなります

*12:そういやポル超は行ったな

*13:曇ってたの残念でしたね

*14:2021年3月時点まだくらえておりません。初アテナは遠い

*15:

*16:当時はプリ機を烏丸半島に搬入して無料で使用できるようにしてくれてたんです。ドライヤーの会社なのに(ドライヤーの会社ではない)。神。

*17:ちなみに上で引用したツイートに書いてあるBGMは『Warriors Suite』という曲です。iTunesになかったのでリンクは貼りませんが、当時アニメを観ていた人なら刺さるはずです

*18:個人的に土屋礼央くんが居てくれたのが嬉しかったですね。ちょうどこの頃「上手く声が出ず歌えない」とラジオで発言していて心配していたので、ステージに上がってくれた時はめちゃくちゃ嬉しかったですね。今では大分良くなったようで、今年の年末にはRAG FAIRとして20周年ライブを控えているとか。

*19:2018年以降、T.M.R.の出演は現在(2021年)までありません。というか最後のライブがイナズマ2018というのが現状です【追記】この記事を書いている最中にT.M.R.のツアーが発表されましたー!やったー!

*20:情勢を鑑みて中止となり、WOWOWでのスペシャルライブ放送と相成りました。実現していれば10年ぶりのライブツアーだっただけに残念です。

*21:主に東映のせい

*22:全部東映のせい

*23:T.M.R.は基本ライブではアレンジしか歌わないので、CD音源の原曲で歌うのは、テレビ番組かLakersぐらいなもんです。Meteor -ミーティア-はアルバム曲なのでさらにレア

*24:25000円で最前エリア確約、特別観覧席あり、専用クローク、専用トイレと王族のような暮らしができるチケット。めちゃくちゃ快適らしい

*25:滋賀県で行われているイナズマの派生イベント。ここで上位入賞すると、イナズマへのフードエリアへの出店権利が与えられる

*26:バチイケのギャルがレッドブルの酒を売ってる目の前で地元のおじさんが鮎のから揚げ売ってるフェスもそうそうない

*27:ステージの位置ですら大きく変わるので、どうにか改善しようと試行錯誤しているのが伝わってくる

これからCV:西川貴教はいかに生き延びるのか(サンファンを観てくれという話)

最初に書くなら貴教の記事がいい。

そう思って過去に参戦したイナズマのレポをまとめてたんですが、余裕で1万字に届きそうな勢いになり、どうしたものかと思っていた矢先に飛び込んできたサンファン無料配信。

これは真っ先に布教しなければ。ということで順序を入れ替えて書いています。まぁこちらも貴教案件なのでなんの問題もありませんね。

 

 

 

サンファンって何?

Thunderbolt Fantasy(通称サンファン)とは、台湾で昔から親しまれてきた人形劇『布袋劇』と、魔法少女まどか☆マギカ』『仮面ライダー鎧武』などでおなじみのシナリオライター虚淵玄氏がタッグを組み、完全新作として制作された日台合同映像企画。つまり人形劇です。

『布袋劇』という歴史ある民間芸能をベースとしながらも、そこに最新のVFXが乗ることで、新時代の人形劇へと昇華されています。

 

シリーズ解説

サンファンは映像作品だけでなく、漫画、小説、更には宝塚歌劇団の舞台なんてのもありますが、今回は映像作品のみの紹介となります(他が追えてませんごめんなさい)

となります。

今回無料配信されるのは第一期第二期のみですが、劇場版は前日譚ですので本筋には

絡んでこないので大丈夫です。(西ヲタ的には第二期前日譚である西幽玹歌は必見です*1)

 

どんな話なの?(あらすじ)

 

第一話「雨傘の義理」


あらすじ


無双の力を発揮する武器、神誨魔械。護印師である丹衡、丹翡兄妹によって守られてきた神誨魔械の一つである天刑劍が、今まさに蔑天骸率いる悪の手に落ちようとしていた。丹翡は偶然にも凜雪鴉、殤不患の両名と出会い、その助けを得ることとなる。

(https://www.thunderboltfantasy.com/season1/story/ より引用)

サンファン唯一の弱点として、「固有名詞が多すぎてわかりにくい」というのがあります。正直それは否めないのですが、ご安心ください。基本的に諏訪部順一氏と鳥海浩輔氏の悪党ぶった斬りロードムービーです。ジャンルも「任侠ファンタジー」というわかるようでよくわからない分類をされていますが、魔法の剣で切った張ったの大立ち回りをする時代劇みたいなもんです。いい意味でそれ以上でもそれ以下でもありません。

観てみるとわかるのですが、登場キャラクターはそこまで多くなく、有名声優の方々が多数参加されていることもあり、思ったより混乱しないんですよね。

「キャラが増えてきたな」と思っても容赦なく死んでいく*2ので忘れても問題ないし。

 

サンファンすごいポイント

【アナログだからこそできる爽快アクション】

 

布袋劇人形って意外と大きいんです。90cm近くあります。大きい分精巧に作れるということで、男女ともに美形揃い。顔のアップにも余裕で耐えるクオリティ。これで瞬きするとか信じられますか?

Thunderbolt Fantasy 生死一劍

 

この強い顔面で、エフェクトてんこ盛りの殺陣アクションを繰り広げます。

ワイヤーアクションで空を飛び、川を走って渡り、剣や槍を振り回し大見得を切る。その結果モブ兵士は土煙とともに吹き飛ばされ、ミニチュアの小屋にぶん投げられます(ソイ!)*3

 

アニメの場合、キャラクターはその後動かすことを想定してデザインされます。どんなに豪華な衣装やアイテムを持っていても、それを動画で再現し続けることは難しいからです。しかしサンファンは人形ですから一度作ってしまえば作画崩壊知らず。風になびく衣装も、豪華絢爛な武具もやりたい放題。

サンファンは特に宝具や呪具の類がたくさん出てくるので見ごたえがあります。

 

澤野弘之氏が生み出す壮大な劇伴】

TNNK*4でお馴染み澤野弘之氏。

2ndシングル『His/Story』は、サンファンのメインテーマをアレンジし歌詞を付けたものです。

thunderBOLTfantasy

thunderBOLTfantasy

ガンダムNT』や『進撃の巨人』の劇伴も担当されている澤野氏。荘厳というか、静かに燃えたぎるような楽曲を多く作られるお方。個人的に大好きです。

このメインテーマ、毎話毎話必ず良い所で流れるんですよね。サビだけ歌ありの作りになってる曲なんですけど、ちょうどサビの辺りでその話の主軸となるキャラクターがめちゃくちゃカッコイイことを言うんですけど、それが超好きで。

主人公がかっこよく大見得を切ることもあれば、敵キャラが悪役なりの矜持を見せる場面もあって、イントロが流れるともう目が離せません。誰がサビをモノにして一番かっこいいセリフを言うかの尺の奪い合いは必見です。

 

ちなみに、現在まで全ての作品の主題歌を我らが西川貴教御大が担当しております。これを書いてる現在はまだ第三期主題歌の話は世に出ておりませんが、きっと担当してくれることでしょう。

 

ちなみにちなみに、3rdシングル『Crescent Cutlass』のc/w『Claymore』も、作中で使われている主人公のテーマ曲をアレンジしたものです。このテーマ、作中で流れるとめちゃくちゃアガるので好き。

show-no-feel

show-no-feel

 

【個性に溢れすぎるキャラクターとそれを彩る豪華声優陣】

前述の通り、サンファンは固有名詞が多く、中華・日本的世界観をベースにしていることもあって名前に漢字が多くて読みにくいんですよね。公式もそれを理解しているので、HPに用語集があったりします。

キャラクターも同じく覚えづらい名前ばかりなんですが、ちょっとアレ個性的な人物が多く、『顔は良いのに敵味方問わず命を狙われるレベルで嫌われまくっている怪しい鳥海浩輔さん』とか、『国中の宝具を集めまくる自分が一番偉いと思っている関智一さん』*5とか、『色々と謎だらけだけど明らかに只者じゃない無頼漢の諏訪部順一さん』とかがいます。有名声優さんが多数出演されているので、ビジュアルと声で全然覚えられます。名前は作中で何度も呼ばれるので、耳で覚えましょう。

 

その中でも個人的最推しなのが浪巫謠(ロウフヨウ)ちゃん*6

Thunderbolt Fantasy 西幽玹歌

(赤髪の方です)

第二期より登場するCV:西川貴教のキャラクターで、当時相棒だった主人公が何も言わずに出て行ったことにブチ切れて遠路はるばる追いかけて来たのに、いざ本人に会うと「別に怒ってない」とか言っちゃうストーカー素質の塊みたいな男なんですけど、イケボ過ぎてぼったくりバーで歌わされたり、王宮に幽閉されそうになったり、持ってた楽器が急に喋り出したりしてしまう不遇な過去を持ってたりします。そのせいで基本的に無口*7なんですが、件の楽器が屈指のお喋りキャラなんでバランスがいいです。

そんなふよたん会いたさに大阪まで行ったのもいい思い出

 ふせったーに書き殴った西幽玹歌評も置いときますね。

やん@天風者 on Twitter: "Thunderbolt Fantasy 西幽玹歌○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ https://t.co/TyoBmaTuZh"

 

【CV:西川貴教がまだ生きてるという推されっぷり】

いきなりバレなんですがごめんなさいね。第三期のキービジュアルに写ってるのでセーフでしょう。

そうです。先ほど紹介した浪巫謠、まだ生きてます。

さっきまで生き生きと動いていたキャラクターが次の瞬間串刺しにされ退場していく非情な虚淵玄ワールドにおいて、あの、あのCV:西川貴教が13話を生き抜いたという奇跡。古くは『動戦士ガンダムSEED』でミゲル・アイマンというキャラクターを演じ、戻ってくるブーメランに気付かず死ぬというお茶目さで3話で姿を消し、

その2年後『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』ではハイネ・ヴェステンフルスというキャラクターを演じ、ふらふらと敵の前を横切り死ぬという「いくらスケジュールの関係といえどもうちょっとなかったのか?」と言いたくなる死に様で登場から4話で姿をしたあのCV:西川貴教が。生きてるどころか準主役級ですよ!第二期前日譚である『西幽玹歌』では主役ですよ!初主演作です!これを推されてると言わずになんと言いましょうか。

しかし、いくら推されているとはいえここは魑魅魍魎が跋扈する地獄変。第三期の1話冒頭アバンで命を落としてもなんら不思議ではありません。貴教の収録スケジュールを予想しながら、花束を持って虚淵玄氏と肩を組んで「オールアップです」とツイートする日が来ないことを願うばかりです。

 

さいごに

 

サンファンを観てくれ。

 

いやほんと色々と書いたんですけど、普通におもしろいんですよサンファン。もっともっと話題になっていい*8。たしかに絵面は観る人を選びますし*9、アニメでも実写でもないフォーマットで撮影されたことでとっつきにくさもあると思います。ただ、ストーリーは単純明快でわかりやすく、人形とは思えないド派手なアクションもあります。これからも続いていくシリーズですし、なによりTNNKのライブでの『His/Story』『Crescent Cutlass』辺りのぶち上がり方が観てるのと観てないのじゃ大違いなので。*10

今年のイナズマの予習だと思って、『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』ぜひご覧ください。

 

 

*1:貴教演じる浪巫謠(ロウフヨウ)が主人公なので

*2:虚淵玄クオリティ

*3:可哀想だけどメイキングで観ると笑えるのでぜひ

*4:西川貴教個人名義の通称

*5:『専門用語ゼロでサンファン紹介する』みたいなの書いてたんですけど、「関智がアトミックモンキーの若手を引き連れて平川大輔氏を襲撃」とか書いてる辺りで趣旨がわからなくなってやめました

*6:ふよたん

*7:声に魔力が宿ってるので無意識に魅了してしまうらしい。中の人と同じですね。中の人と同じですね。

*8:特に西ヲタ界隈

*9:人形恐怖症の人には辛いと思う

*10:特にHis/Storyはサンファン観てるととんでもなくアガる

はじめに

どうも。ブログをはじめました。

 

きっかけは友人*1*2がnoteでブログ開設したことと、以前「ふせったーに何千文字も書くならブログに書けばよくない?」って言われたことです。その通りだと思いました。

 

Twitterにあれこれ書いても140文字じゃまとまらないし、当時の自分の気持ちを発掘したくてTwilog遡ったりしてるんですけど、探しきれないんですよね。めちゃくちゃめんどくさいし。

 

映像観た感想とか、プロレス観てて思ったこととかを書き留めるのに使たらなと。(ライブ参戦レポを書き置く場所にも使いたいけど現場がないので)

 

それから、世の中おすすめしたいものばかりなのに口頭だとすぐ「エモい」とか「とりあえず観て」ばっかり言ってしまうので、しっかりとプレゼン資料として活用できるものにしていこうと思います。

 

なるべく予備知識がなくてもわかるように書くことを心掛けるので、いつか興味を持って一緒にライブ行ったりプロレス観に行ったりひらかたパークにヒーローショーを観に行ってくれたりしたら嬉しいです。

 

 

ブログやるのmixi以来なんで色々と手が震えるのですが、まずは始めてみないことには。ということで。

 

とりあえず今日の貴教貼っておきますね

 

 

 

*1:ざき

*2:ごま