どうしよう。めちゃくちゃ好きな試合が無料公開されてしまった。ヤングライオン*1同士の初対決であり、第1試合のため、煽りVはありません。
無くてもわかる、試合の熱さ。
『ヤングライオン』という制度
新日本プロレスに入団した選手は、一部の例外を除き、道場生としてそのキャリアをスタートします。
道場(寮)にて他の道場生と生活を共にし、大会のサポート、遠征の際は帯同し、先輩選手の身の回りの世話をします。
そういった雑務をこなしながら練習をし、第1試合(あるいは第0試合((開場後、客入れの最中に行われる試合のこと。リングの設営チェックも兼ねており、若手同士の試合が組まれる。)))で実際に試合を行うこともあります。
新日本プロレスの道場は世田谷区にあり、通称『野毛道場』と呼ばれています。
成田選手、辻選手はこの野毛道場出身。未来のスターが約束された、エリート中のエリートです。
当時はここ野毛道場しか新日本プロレスの道場はなく、新日本プロレスのヤングライオンになるためには日本に住む必要がありました。
新設『LA DOJO』
海外でも人気の高い新日本プロレス。もちろん海外にも「新日本でプロレスを学びたい」という選手は数多くいました。
そういった選手の育成、発掘のために『ロサンゼルス道場』は新設されました。
ヘッドコーチに任命されたのは、柴田勝頼選手。
野毛道場育ちで、現在は試合の怪我で長期欠場中ですが、所属選手の中でも最も熱い試合をする選手の一人です。
柴田勝頼選手がロサンゼルス道場・スプリングキャンプのヘッドコーチに就任! | 新日本プロレスリング
棚橋弘至選手とは同期で、長年切磋琢磨してきた選手ですが、試合のスタイルは真逆と言っていいでしょう。
無骨さ溢れる試合展開、男気のあるコメント。曲がったことが大嫌いな柴田勝頼選手が見出した「LA DOJO一期生」が、クラーク選手、カール選手です。
生まれの違う『若獅子』の初遭遇
2019年。最も過酷と呼ばれる“真夏の祭典”『G1クライマックス』のリーグ戦に合わせて、LA DOJOのヤングライオンが来日しました。
海外で行われる大会の第1試合で彼らの試合は配信で観ていましたが、実際に日本で試合をするのはこのシリーズが初めて。
同じ道場で切磋琢磨している選手同士が、ライバルとして対角線に立つことはありましたが、今回は違います。
「野毛道場こそが本流」と言わんばかりの荒々しいファイトを見せる成田選手、辻選手。
その「本流出身」であり、新日本プロレスが継承し続けてきた「ストロングスタイル」を色濃く受け継ぐ柴田選手が育て上げた 愛弟子のクラーク選手、カール選手。
選手それぞれの想いと共に、それぞれの道場の看板を背負って戦う代理戦争の側面もあります。
若手の試合がいっちばん面白い
色々因縁だ何だ書いたんですけど、これに尽きるんですよね。個人的な意見ですけど。
もちろんメインイベントに近づくにつれ、有名な選手や派手な必殺技が炸裂するので盛り上がるんですが、
限られた技の中で、どれだけのオリジナリティーを出せるか。どれだけ爪痕を残せるか。若手にしかないギラギラした情熱みたいなものがリングで弾けるんですよね。
それが若手同士の試合ならなおさらです。
特に今のヤングライオンは大豊作。
「若手って何だったっけ?」と本気で思ってしまうほどの肉体を誇る選手が多数在籍しています。
第1試合の盛り上がりは、その後の試合にも影響すると言われています。
G1クライマックス最終戦。日本武道館の第1試合を任されたヤングライオンの戦いを、ぜひ観てみてください。
*1:若手選手の総称